つい先日の日経ビジネスの【「人財不足」解消計画 人事部こそリストラ」】という特集記事の中で、LIXILグループ執行役副社長の八木洋介さんという方が、インタビューのなかで、とても良いこと—私にとって「我が意を得たり」と思えること—を言っておられたので、取り上げてみたいと思います。 ****************************************** ・・・・・世界中の企業が苦しみながら必死に戦っている。厳しい競争を勝ち抜くために、持ち得る限りの人的資産を総動員してグローバルビジネスの土俵に立っている。 ・・・・・私は常々、「人で勝つ」と言ってきた。人事は経営の根幹だ。どんなに優れた経営戦略だとしても、実行する人によって成果は変わる。人材による差別化こそ、厳しい競争と変化の時代で勝つための競争力の源泉と認識すべきだ。社員が最高のパフォーマンスを発揮できるように、やる気を引き出し、組織を整えることが本来の人事の役割だ。ヒト・モノ・カネの経営資源のうち、ヒトが最も伸びしろが大きい。 ・・・・では、社員のやる気を引き出すにはどうするか。誰が考えてもおかしいと思うことを1つづつ、やめていけばいい。大半の社員は普通の人。普通の人は、理屈に合った正しいことを好み、理不尽を嫌う。正しいことを実行するのは時に難しい。だが、理不尽な制度や慣習の排除ならやれる。これだけで社員のやる気は確実に高まる。必要なのは勇気だけだ。 ****************************************** 少し前のブログに「遺言戦略」というのを書きましたが、【もし仮に会社を去ることになった時、「本当は、これをやるべき!」とか「本当は、こんなことはやめた方がいいよね!」と言いたいことがあるなら、勇気を少しだけ出して、会社を去らなくても言いましょうよ!】という主旨でした。八木さんのお話は、まさにそれと同じ方向の視点だと感じたわけです。(⇒よかったら、上の青字の部分をクリックして、「遺言戦略」のブログを見てみてください!) もちろん、誰が考えてもおかしいと思うことを1つづつ、やめて行く」(=ネガティブ面を減らしていく)のと並行して、「正しいことを実行する」実力を持続的に向上していくための「意思決定を切り口とした戦略組織能力の構築」(=ポジティブ面を増やしていくこと)に取り組むべしというのが、私がかねてから提唱していることですが、今回のブログではその中身には触れず、ここまでとしておきます。 P.S. この日経ビジネスの特集記事に、幾つかの会社の取り組みが、それを主導する人たちの言動とともに取り上げられていましたが、その中のお一人と、数年前にディシジョンマネジメントの研修で親しくお話したことがありました。ディシジョンマネジメントの持つ「衆知の結集の考え方」、そのための「共通言語の必要性」、「性善・性賢にもとづく人材への信頼」などに共感して頂いたことを覚えています。記事の中でも、その方の「人間を信じる姿勢」が色濃く感じられ、あらためて尊敬の念を感じるとともに嬉しく思いました。
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