企業もそのトップも、自ら戦略方向を意思決定する精神的強靭性を持たねばなりません。
そして、模索・停滞から脱却し、新たな発展と価値創造に向けて、日本企業は「意思決定駆動(Decision-driven)」のマネジメントへの急速な転換が求められています。
何も決めない「不断」やよく考えもせず決めてしまう「蛮断」(=無謀)ではなく、事業環境に応じた最適なタイミングで自ら能動的かつ的確に判断する思考、
すなわち熟慮にもとづき果敢に決断する「熟断」が求められているのです。
企業のリーダーシップや戦略的マネジメントの最上層にはミッション・ビジョンというものがあります。
これは事業環境や顧客ニーズに関する深い理解と大局観、先見性を踏まえた上での、「企業として何を成し遂げたいか」、という夢や使命感です。
このミッション・ビジョンの部分について高い共感をもてる方向性が示された上で、次のレベルは「戦略アジェンダ」の設定です。これは長期的ミッション・ビジョンを達成するために短・中期的に取り組むべき戦略課題のリストを作ることです。これができると、いよいよ、戦略アジェンダの中の各課題について具体的な戦略策定に踏み込んでいくことになります。