夏休みブログ、第2弾です。前回に続き、これも日経ビジネスのコラム記事をきっかけとしたブログで恐縮ですが。。。セコムの前田会長が次のことを述べておられました。 ******************************************* ・・・・・新サービスを立ち上げるには、数多くの機器の開発が必要となります。そのうち一つでも開発が遅れたり、考え方が間違ってしまったりすると、いいサービスは提供できません。どうすればチームの足並みが揃えられるか。私なりにたどり着いた答えが、A4サイズのパンフレットでした。開発に着手する最初の段階で、完成品のイメージを1枚の紙にまとめるのです。機能を説明する「説得商品」では、世に受け入れられません。差別化のポイントがひと目で分かるように、イラストも使ってシンプルに表現するのです。そうすることで、開発から営業まで、目指すべきゴールがはっきりします・・・・・ ******************************************* まさに、私がR&Dテーマや新規事業提案をお手伝いする際に勧めている“こんなの、あったらいいな!” の「理想パンフレット」(別名、「夢パンフレット」とか「嘘パンフレット」とも呼んでいるものです)と同じ発想だと思いました。 ただ、前田会長は「チームの足並みを揃える」ことを第一目的としてこのパンフレットを使ったとおっしゃっていますが、私が「理想パンフレット」を勧めるのは、(もちろん、前田会長のおっしゃる要素も重要なのですが)その前の、より重要な要素である「顧客へのValue Proposition(価値訴求ポイント)」と「競合との Competitive Advantage(競合優位性)」の確認のためです。 この理想パンフレット—そこには、新商品やサービスが無い現状(=Before)に対して、これがあることによって何がどう顧客にとって嬉しくなるのか(=After)の叙述が必須要素として入れ込まれています—を活用した顧客への聞き取り・インタビューにより、顧客が本当にこの商品やサービスを喜んで買ってくれるかどうかが判明し、まだValue Proposition(VP)をどうやったらもっと高められるかの貴重なヒントも得られるのです。 そして残念ながらVPが全く認めてもらえないようなら、貴重な経営資源を使って新商品・サービスの開発を進めることを、スッパリと潔く断念することもできるようになるのです。(もちろん、昨今の世知辛い競争環境の中ですから、顧客へのインタビューにおいては、貴重な事業アイデアの流出につながらないよう、しっかりとした配慮を払うべきことは言うまでもありません。) 「理想パンフレット」は大変お勧めですので、ぜひ試してみてください!
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