経営資源配分の価値判断尺度として「第2のNPV: Net Pleasure Value」をどう具体的に使うか?(II)。。。壮大なる(無謀なる?)チャレンジへのFirst Trial |
前回のブログ記事で、全ての事業(のベストな選択肢)についての「ええねん」指数を設定するところまで、私の仮説的提案をお話ししましたが、今回はそれを活用して、税金の使い方としての「事業ポートフォリオ」の資源配分の作業をどう進めていくかについて考えて行きたいと思います。
この「事業ポートフォリオ」の資源配分の検討に当たっては、横軸に\表示での「税金投入金額」ないし必要経費合計、縦軸に「ええねん」指数表示による「NPlV」をとります。その際、当該事業の遂行によって直接的に税金収入が見込める事業や、それによって将来の税金投入金額が少なくて済むようになる事業については、投入資金がNetで減ったという考え方で、横軸には「税金投入金額-税金回収額」の数字をとるのが良いと思います。
(もちろん一つの考え方としては、あくまで横軸は事業実施に必要な「税金投入金額」をとり、その事業の実施によって得られる「税金回収額」(つまり「将来の税収入増」や「将来の税支出減」)は、縦軸の「ええねん」の要素としてとらえる、というやり方もありえます。しかし、よくよく考えてみると、税収入増や税支出減は、(「税金集めの亡者」という人は別として)それ自体が直接的に嬉しいことなわけではなく、それによって国や自治体として、国民・地域住民のより本質的な嬉しさ(=NPlV)を増大させるために使える経営資源が増えた、と考えるのが妥当なのではないか、と思うためです。)
その上で、各事業・施策ごとの投資対効果(単位は、[ええねん/¥]です)を計算して、投資対効果の高い事業から順に「事業ポートフォリオ」の座標の中に積み上げて行きます。。。このブログにうまく図が描けないので、拙著「選択と集中の意思決定」のp206にあるような最適ポートフォリオ曲線を想像してみてください。
税金の使い方として、トータルNPlV最大化に向けて、もっとも投資対効果の高い事業を最優先としてGo判定を行い、徐々に投資対効果の少しづつ低い事業にGo判定を出して行き、最終的に税金投入可能総額を使いきったところで、これより投資対効果の低い事業については「ない袖は振れない」として断念してもらう、ということになります。
この時もし、「この税金投入可能総額の中で、こんな事業までやっちゃうわけ?! こんなことのために税金を使うくらいなら、税金徴収額全体をもっと減らしてもらった方がいいんじゃないの?!」的な反応が国民・市民から多く寄せられるようなら、「税金徴収額を減らす=もっと小さい政府へ!」、という判断につながることになります。
その逆に、「この税金投入可能総額の制約の中では、自分たちとしては有意義と思える、こんな事業もあんな事業も手がけられないのか?! だったら税金徴収額を増やされてもいいから、これらの事業を手掛けてもらいたい!」的な反応が国民・市民から多く寄せられるようなら、「税金徴収額を増やす=もっと大きな政府へ!」、という判断につながります。
国全体の 税制体系の改革が最近よく話題に上りますが、理想的にいえば、上記のような地に足のついた具体的検討とそれに基づく情報を揃えつつ進めてもらえればな、と願う次第です。
以上、また少し長くなってしまいましたが、たいへん初期段階ではありますが、経営資源配分の価値判断尺度として「第2のNPV: Net Pleasure Value」をどう具体的に使うか、とらえて行くかにつき、2回にわたって試案を述べてみました。多少でも皆さんの参考になればと思いますし、またこのままでOKとは全く思っておらず、皆さんからのフィードバックを頂きつつ思考を進展させて行きたいと願っていますので、よろしくお願いします!
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