幸せの人生相談のシリーズを書いてから、またしばらくブログをさぼってしまいました。。。今後は、もっと気楽に短い記事を頻度高くアップして行きたいと思いますが、とりあえず今回は、最近読んだ本の読後独語をお送りします。 増田悦佐という人の「3・11に勝つ日本経済」という本の書から、私が「うーん、確かにそうかも。自分がなんとなく感じていたことをズバッと言ってくれてる」と感じた部分を抜粋してみました。6月中旬にロンドンに一週間くらい出かけた時に、成田空港の本屋で立ち読みしていてたまたま見つけた本です。 全体の主張は、いわゆる主流の経済論壇の論調とは大きく違います。ご本人も「はじめに」の中で【読者の皆さんがこの本を読んだだけで私の議論に説得されることは、それほど期待していない。『こんな変なことを言っていたやつがいたな』という記憶を、心の片隅にでもとどめておいていただければ、けっこう。世界は自分の予想どおりに展開するはずだということについては、絶大なる自信を持っているから】と開き直っているように、よくある「トンデモ本」みたいでもありますが、聞くべき論点がいくつかあり、それを以下にピックアップしてみます。曰く: ○・・・・・日本のマスコミは、なぜ暗いことばかり書きたてるのか?・・・・・いったいどんな思惑があって、暗い話題はますます暗く描き、明るい話題は無視するという編集方針にこだわっているのだろうか・・・・・ ○・・・・・知的エリートが無能で、無策で、無力な方が平和で豊かで平等性の高い社会が築ける・・・・・何一つ先の読めない知的エリートがいるからこそ、日本の大衆は強い・・・・・知的エリートの知的水準がここまで低いからこそ、日本の大衆には自分で考え、自分で行動するクセがついている・・・・・二、三日先のことさえ読めない日本の「知的エリート」の存在は、貴重な無形資産だ・・・・辺境国の大衆は・・・・・「自国のエリートの権威は中心国からの借り物にすぎず、エリートの主張の大半は中心国のエリートの主張の受け売りだ」としっかり見抜いている・・・・・戦後から1970年代初めまでの日本の高度成長は・・・・・日本の官僚の力が欧米諸国と比べて格段に弱く、民間企業の成長を阻止することもねじ曲げることもできなかったからこそ達成されたのだ・・・・・日本は、欧米に比べて相対的にきわめて優れた大衆が、一応エリートの卓論卓説はありがたく拝聴しながらも、実際にはエリートを無視して、勝手に経済を発展させたのである・・・・・ ○・・・・・人口高齢化の何が問題だというのか・・・・・(若年層人口が多い国で)なぜ横幅の広いぺちゃんこの人口ピラミッドになるかといえば、乳幼児で間引かれ、少年期で間引かれ、青年期で間引かれ、壮年期で間引かれ・・・・・天寿を全うできない人が多いからそうなるのだ・・・・・今どきの日本・・・・・どう考えたって、天寿をまっとうする、しかも健康寿命の長い天寿をまっとうする人の多い国・・・・・漠然たる印象とは反対に、高度成長期より現在の方が(日ごろの暮らしについての)充足感はさらに高まっている・・・・・さらに、もっと興味深いことに、現在は若年層のほうが充足度は高く・・・・・彼らには「欧米はすばらしい夢の国だ」という古めかしい先入観がない・・・・・若年層人口が多ければ多いほど、社会は不安定になる・・・・・「若年層人口の多さが高い経済成長のカギ」などと言っている連中の仕事をチェックしてみていただきたい。失業とは無縁の公務員や、学者の地位に「永久就職」していて、失業の痛みなどまったく分からない連中が、こういう実証データとは正反対の太平楽を並べ立てているのだ・・・・・これだけ中東・北アフリカ諸国で革命や暴動が続いても、それでも「人口全体の若さとか人口成長率の高さとかが経済成長にとって有利な条件だ」という世迷言を垂れ流す「知識人」が多いのにも感心する。人口増加率の高さや人口全体の若さは、即自分が職を持とうとか維持しようとするときの競争の激しさにつながるのだ・・・・・地球上の人口・・・・・1940年代半ばからの異常な人口激増を示している・・・・・いずれは拡大局面を終え、一定人口で停止するか、人口縮小に入るか、どちらかにならざるを得ない・・・・・世界中の先進国に先駆けて人口ボーナスが人口オーナスに変わった中でも、着実な実質成長を維持し、世界経済に占めるシェアも微減に食い止めているのが、我が日本国なのだ・・・・・いま勢いよく急成長を続けている国々で、安い労働力をフルに生かした人海戦術が使えなくなったときに、日本ほど世界経済に占めるシェア減少を小さく食い止めることができる国が一ヵ国でもあるだろうか・・・・・ 蛇足ですが、私の抽出した学習ポイントは、次の3つです。 ①ものすごい強く優れたリーダーがいないことに絶望する必要はなく、そこそこ以上のリーダーとそこそこ以上の大衆が”For the team”精神で衆知を結集できることが、日本人や日本企業の、世界において誇るべき力の源であり、そのことにもっと自信を持とう!。。。グローバル化の中では、そうした”For the team”精神の相対的に強い人・企業・地域との連帯を強め、仲間を増やして行く、というやり方もあるわけです。 ②今の様々な問題・苦境・困難は、世界の中での「課題先進国」として、他に先行モデルがいない中での最先端の戦いであり、したがって、苦しみもがいていることは当然であり何ら劣等感を持つべきことではない! ③マスコミや主流の論壇の日本に関する「悲観的論調」は、かれらの「身すぎ世すぎ」と割り切り、そんな論調に引きずられずに、明るく前向きにものごとに取り組んで行こう! さらに付け加えるならば、「頼りになる強いリーダー」への幻想や、「現状の日本とこの先の日本」に対する幻滅・絶望から解放されよう!、ということです。
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