ちょっと極論かもしれませんが。。。その2: 「品性力向上」が、社会の幸せ度と経済力向上に役立つのでは!? |
先日、私が駆け出しのコンサルタント時代のクライアント&その後友人として時々近況交換・意見交換でお目にかかっているNさんと、久しぶりに昼食をご一緒した時に出た話です。 Nさんは現在、NPOの活動やいくつかの企業のアドバイザ-として活躍しておられるのですが、話の中で、高齢者や弱者向けサービスへのニーズが世の中に潜在的にはいっぱいあるが、十分なサービスが企業から提供されていない。その原因の一つとして、企業側に、消費者・ユーザー側からのクレーム・訴訟リスクへの恐れ・懸念があるのではないか。 ごく一部のクレーマーや難クセづけ的な訴訟を回避するために、多くのコストが生じ、従って価格が高くなり、結果的に、そうしたサービスを必要とする大多数の消費者にとっては手が届かず、従って市場が顕在化しない/大きくならない、だから儲からない、だから積極的に参入する企業が少ない、だから困っている弱者・高齢者が放っておかれることになる、という悪循環になっているのではないか、という見立てです。 Nさんによれば、今現在は、NPOを間にかませることで、こうしたごく一部の消費者(あえて言えば不心得者)を防ぐ—どうやら、利益追求目的(と思われている)企業には難癖をつけやすいが、善意でやってくれているNPOに対しては、文句が言いにくい、という心理があるようです—というのが、一つのやり方のようです。 これも一つの方法として有効だとは思うのですが、よく考えてみれば、少し釈然としない話です。Nさんとも話したのですが、企業といえども、設立理念に「我が社が誕生し存続し続ける唯一無二の理由は儲けまくること」なんて書いてある会社はまず皆無です。せいぜい「企業活動を通じて、(我が社の活動に賛同し支援し、そのために大事なお金を投資してくださっている)株主に十分なリターンを報いること」とあるくらいですから、消費者側が「企業なんて、どうせこっちから利益をむしり取るんだろう。だったら、クレームでも訴訟でも何でもして、すこしでも分捕り返すことの何が悪いんだ!」という品の悪い発想は、基本的に間違っているわけです。 こうした勘違いをしている、消費者・受益者サイドの極く一部の不心得者に対応するために、大部分の品性良き人たちが、迷惑&大きな手間をかけさせられていて、住みにくい世の中になっているのではないか、というのが我々の議論でした。せいぜい千人か一万人に一人いるかどうかの極く一部の不心得者のために、大多数のまっとうな人達がいらざるコストをかけさせられているのは、空港のテロ対策や企業のコンプライアンスなど枚挙にいとまありませんが、(決してテロと同列に扱うわけではありませんが)これも一種それに近いものがあると思います。 逆に考えると、もし「社会の品性レベル向上」ができたなら、大部分の人をもっともっと幸せにし、かつ無駄なコストをなくすことができることになります。 そのために必要なのは順当にはまずは教育ですが、少し極論気味の一案として出てきたアイデアが、「(NPOからのサービスであるか企業からのサービスからであるかにかかわらず)サービスの受益者側にも、受益者としての品性の良さに応じたポイントを導入するなどして、競争原理を持ち込むことが有効ではないか?!」というものです。。。通常、サービス提供者側は、日ごろから競合との競争にさらされたり、またクレーム・訴訟リスクを回避したいというインセンティブが働いて、常に競争原理の中で動いているのですが、この競争原理を、受益者側にも働かせることで、「品性力向上」をドライブ(駆動・加速)できないか、という発想です。 アイデアとしてはこんな感じです⇒サービス提供者側からのサービス提供に対しての、受益者側の態度の良さ/品の良さ、言いかえれば、サービス提供者側として「是非この方に、次回もサービスさせていただきたい」と思う度合いに応じて品性ポイントを付与する。品性ポイントが多い受益者は、次回のサービスを受けられる優先度を高くしたり、あるいは料金を下げてもよいかもしれません。 そうすることで、受益者側も品性の良い言動を積極的に行うことになり、そもそも品性の低い消費者が早い段階で除外されることで、サービス提供者側は、余分なコストをかけずに高品質のサービスを提供できるようになります。。。受益者側だけに品性力アップのためのポイントを導入するのでは不公平感が出るので、このポイント制を、サービス提供者側の個別のスタッフにも導入すれば、スタッフの「品性力向上」にも役立つと思います。 もちろん、品性低からざる消費者が、誤ってor故意に「品性悪しき人」の烙印を押されないよう、第3者機関的な裁定・認証が必要かもしれませんね。その他の要素も含め、具体的なやり方は様々な専門家の知見を活用して詰めていく必要があると思いますが、(少し極論的な話かもしれませんが)発想の筋としてはそれほど悪くないアイデアではないかと思っています。 読者の皆さんのフィードバックを頂ければ幸いです! |
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