久しぶりにお会いしたクライアント(Gさんとしておきます)からの嬉しいフィードバックです。 この方は、今から6~7年前のディシジョンマネジメントの研修に当時部長の時に参加され、今ではその企業の技術担当の役員をされているのですが、もともと技術屋で当時は経営とか戦略についてはあまり知識も興味もなかったのですが、私の研修に参加して以来、こうした分野の重要性に気付き、それ以来、勉強や自己研鑚に取り組んだのだそうです。 それによって経営や戦略・マーケティングなどについてひと通り以上の知識・知見を持つに至ったのですが、いざ自社の具体的課題に実際に取り組もうとした時、そうした知識は、発想・着想のヒントやチェックリストとしては有用なものの、実践的にどう戦略策定作業やそれに基づく意思決定に取り組んでいくか、という局面ではほとんど役に立たない、という経験と思いを持ったのだそうです。 そしてまさにそういう局面で、ディシジョンマネジメントが具体的作業に取り組む際の 方法論やガイダンスとして役立つ、つまり「そこから先のEnabling方法論」として有効、という経験・思いを持ったとのことです。 私も全く同感です。経営や戦略について、ほとんど毎年のように色々な人が「理論」だの「方法論」だのを提唱し、毎週のようにそういった書籍が刊行されますが、新たな視点・切り口・ヒントは提供してくれても、「そこから先のEnabling方法論」は皆無に近いと思います。 昔ある出版社の人と、これに近いことを話した時、「籠屋さん、ビジネス書の読者のほとんどは、『勉強した気になる』ためにビジネス書を読むのであって、実際にそれらを活用しようという実務家の人はごくわずかなんです。だからビジネス書の世界に、『ヒントや視点』に対する知的興味を満たす『お勉強市場』はあっても、『実際の戦略策定や問題解決の実務に役立つビジネス書』の市場はマスとしては存在しないんです」という主旨のことを言われたことがあります。残念ながら、まさにそれが実態なのでしょう。 そういう意味で、Gさんは「ごくわずかの実務家」のお一人なのでしょう。逆に言うとディシジョンマネジメントは、とりあえずは「ごくわずかの実務家」に実践的に役立つ、「そこから先のEnabling方法論」として位置づけられ、活用されれば良いのだろうと思います。世の中一般のビジネス書で「新たな視点・切り口・ヒント提供の理論・方法論・ツール」を教養として身に付けた人達が、本当に戦略策定や問題解決の実務に取り組む場面になった時に、ディシジョンマネジメントを活用してくれればよいのだと思います。 もちろん私は、エデュサルティング活動を通じて、そうした今現在は「ごくわずかの実務家」を、「ごくわずかでない人たち」にしていくことを目指しており、それがディシジョンマインド社の存在意義だと思っています。。。そうしないと、日本のビジネスマンの、「教養レベル」にとどまらない、「使える戦略スキルの実力」がいつまでたっても上がらないし、従って彼らが属する企業の競争力強化もできないからです。
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