先日の日経ビジネスに、働き方改革についての特集が載っていました。 組織としての取り組みや個人の取り組みについて、様々な論点や事例が掲載されており、このテーマにかかわる人達にとって≒ほとんどすべての働く人にとって参考になる情報かと思いました。この記事の中のメインの内容ではないと思いますが、私が特に印象に残ったのは、コラム記事にあったパーソナルファシリティマネジメント社長の槌井氏についての記述でした。 「・・・投資対効果の分母であるコストの削減ではなく、分子である生産性の最大化を目指したオフィス改革だ。『オフィスを改善して協働が活発になることで質のいい成果が出る。成果が出れば、その結果としてやる気も出る。生産性向上は人事制度などソフト面が目立ちがちだが、ハード面であるオフィスにも凄い力があるのだと知ってほしい』・・・」 多くの企業の取り組みが、ともするとまずは取り組みやすい分母を減らす施策にフォーカスしがちで、それが[働き方改革⇒本質的な働き方を改善せず、単にノルマを課しての残業時間削減⇒かくれ残業/持ち帰り仕事による労働強化と企業としての経費削減]という連鎖で語られがちになる原因になっていると思います。 それを分子に着目して、そこにこそ着目すべし、というのは、大変まっとうな意見だと思います。 加えて、この文章の前に書かれた記述: 「・・・ならば、どんなオフィスが生産性を上げるのか。槌井社長が強調するのは、オフィスを『協働の場』として磨いていくことだ。自宅やカフェなど多様な場で働ける時代だからこそ、ブレーンストーミングやプレゼンテーションなど、人が集まる仕事の生産性を第一に考えてオフィスを作るべきだという・・・」 に、思わず膝を打ちました。組織として働くことの本質は、異なる知識・見識・背景を持つ人達が協働して働くこと、即ち、私の言葉でいえば、ワークショップの中身と生産性が重要、ということです。 槌井氏の場合は、それを支援・加速する為のオフィスの物理的環境の改善・整備というところに繋げて事業を行っているわけですが、私の立場から言うと、そうして整えた物理的環境の中で、さらにワークショップの中身そのもののレベルアップに取り組んでほしいと思うわけです。 これまでこのブログやビジネス誌への寄稿で書きましたが、日本企業に蔓延している衆知雲散のメカニズムを、衆知錬成のステップに持っていってもらいたいと考えます。 そして、それこそが「働き方改革」の本丸ではないか、そこにディシジョンマネジメントを活用してもらいたいと、また感じた次第です。
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