「小さく生んで大きく育てる」は正解か? ~「選択と集中」の是非の文脈で |
新規事業の育成や経営資源の配分に関して、最近耳にした、企業経営者の3つの発言から、標題のテーマについて考えを巡らせてみました。 ①「新規事業はリスクが大きいから、いきなり大きな投資はせず、小さく生んで大きく育てるのが良いんだ!」 ②「中途半端な経営資源投入ではうまくいかない。赤字の状況において、多くの人は『(その事業を)やめてしまっては、当事者たちが可哀想だ』と言うが、中途半端で競合に勝つ見込みがないままにしておくほうが、余程可哀想だ。なので自分は『冷酷だ』と批判されつつも、選択と集中を実行してきた」 ③「世間では『選択と集中』が大事と言うが、自分には理解不能、というか全くナンセンスだ。そんなことをしていたら会社の長期的成長も成功も望めないし、第一、そんな面白くもなんともない会社で働きたいなんて誰も思わない!」 どれも内容自体は初耳というタイプのものではないのですが、ここ1~2ヵ月の間に、複数の企業をサポートする中で直接・間接にこの3つを聞いたことから、色々思うところがありました。 まず①ですが、「リスク、つまりは不確実性が大きい状況では、先が見えない中でいきなり大きな投資をするのは得策ではない」という意味では正しいのですが、くせものなのは、この言葉が、経営者としての「不決断」「思考の先送り」ないし「思考停止」の言い訳に使われがちだということです。 |
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