「今年を明るく切り開くために(続編)」で紹介した、日経新聞1面に年初から連載されていた「ニッポン復活の10年」というコラムは、読者に元気に明るい未来を切り開く上でのヒントを提供していて、なかなか良いと思いました。 というのも、この日経新聞も含めて、日本のマスコミ・出版業界やそこに登場する識者・コメンテーターなる人たちは、ともすると「・・・だから日本はダメ。日本企業はダメ・・・」という論調が多すぎると、日頃から感じているためです。その論旨を反省すべき材料として提供し、そこから「・・・では、どうする?!」が具体的に提示されればよいのですが、批判しっぱなしで終わったり、極めて抽象的な解決方向しか示されないのです。 その人たちに言わせれば、「その方が読者・視聴者が喜ぶから、ビジネスとしては当然」ということかもしれません。しかし読者・視聴者が喜んでくれ、本がいっぱい売れ視聴率が上がって儲かるなら、何をしてもいい、ということでは、あまりに志が低く、「文化の担い手」とか「識者」という名が泣くではありませんか!? 長期的には、こうした無責任な「批判しっぱなし」が、「・・・ま、だから日本はダメなんだ。しょうがないよね」という妙に物分かりのいいあきらめ気分を生み、読者・視聴者ひいては世の中の人達の自信と元気をなくし、最終的には日本経済や企業、社会を縮小消滅に向かわせていく元凶になりかねない、という自覚を持ってもらいたいものだと思います。 彼ら社会的に影響力をもちうる人たちには、より節度をもった発言、できればポジティブな気持ちを喚起させるトーンで具体的な問題解決型の発言・発信をしてもらいたいと願う次第です。 以上だけだと、私が批判した「・・・だから駄目なんだよ・・・」の人達と同じ穴のむじなになってしまうので、私自身でできること、すなわち「・・・では、どうする?!」として、今年は以下の3点を心がけ、また仕掛けて行きたいと考えました。 ********************************************** A.暗いトーンの話は極力しない:日常会話の中でお天気の話題に続いて、「それにしても相変わらず景気が悪いですよね・・・」とついつい言いがちですが、これを言わないようにしようと思います。全体の景気が悪いのは言わなくてもわかっているのですから、単に気持ちをさらに落ち込ませるだけの言葉は言わず、一つでも明るいトピック、状況を良くするヒントになる話をするよう心がけたいと思います。 B.明るい話のタネを積極的に集める:新聞・雑誌・テレビ・書籍等で見聞きした話、また友人・知人から聞いた話に加え、私が昨年から小規模で始めた”ディシジョンラボ同窓会”的な会をさらに継続したり数を増やして、そうした会を通じてディシジョンマネジメントを使った成功例・工夫例のトピックを聞かせてもらいたいと願っています。これらが私がもっとも自信を持って提供できる「明るい話」だからです。それらのトピックを、実際にお会いした方々に経営や戦略、意思決定のヒントとしてお話するのに加え、このブログで皆さんにも紹介できればと願っています。 C.できれば、「明るい話のタネ」をつくる活動自体を積極的に増やしていく:私のエデュサルティング/ディシジョンラボの活動も既に足かけ9年目に入りますので、個別企業で”ディシジョンラボ同窓会”が開けるくらい”卒業生”の人数が増えてきた企業がいくつかあります。それらの企業では、卒業生の中に事業部長や事業本部長、(社内)カンパニー長、また執行役員といったレベルの方々が出てきており、その人たちの部下にも卒業生がかなりいる、という状況になっています。 そうした企業で、たとえば”卒業生”の事業部長とその部下の企画部長がコンビで、予算策定や中期事業戦略策定プロセスに組み込む形で、前のブログで提案したような「戦略アジェンダワークショップ」や「事業・テーマ仕訳ワークショップ」に、実務として組織的かつ強力に取り組んでもらうことを推奨していく、というアイデアです。つまり、「ディシジョンマネジメントをフル活用した、まるごとValue Creation(事業価値創造)&組織能力底上げ」という発想です。 これにより当該事業部としては、実際の業績上の成果を出しながら、同時に組織能力向上(個々人のスキルアップに加え、意思決定プロセス改善も含めた組織力アップ)が図れるわけです。一方、私としては、その方々との継続的なコンタクトやコラボレーションを通じて、より説得力ある「明るい話のタネ」を大量に得ることが可能になるわけです。 さらに、対象企業の中で成功事業部/事業本部/カンパニーが”showcase”となって、他の事業部/事業本部/カンパニーの取り組みを促し、より一層成果が拡大する、という良循環が期待できます。 関係者の方々の理解と同意が得られれば、他社にも”showcase”として紹介することで、ディシジョンマネジメントの活用を通じた「元気で明るい企業&世の中作り」にも貢献できると思います。しかし、ここまで一挙に夢を膨らませるのはまだ拙速だと思いますので、今のところは、これは「初夢」/「中期的願い」の位置づけとしておき、まずは”showcase”となる事業部/事業本部/カンパニーとして一緒に取り組んでくれそうな卒業生の方々に、B.の”同窓会”活動などを通じて声掛けして行きたいと思っています。 ********************************************** C.は相手があることなので、どこまで実現できるかわかりませんが、少なくともA.とB.は年初の決意として是非とも取り組んで行きたいと思います。 読者の皆さんも、ぜひ今年は「明るく前向き、問題解決型の発言・表現」を心がけてみてください。上の私の例にならって、ご自身の「・・・では、どうする?!」をお寄せいただけるのを楽しみにしています。
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