今回新たに、このブログの中に「勝手にディシジョンマネジメント」というカテゴリーを立ち上げることにしました。 これは、社会や経済、政治などで起こっている事柄につき、ディシジョンマネジメントを活用すれば、もっともっと建設的議論が行われ、よりHappyな状況が実現するはずなのに・・・と私が感じた事柄につき、ディシジョンマネジメント適用のトライアルをやってみよう、というコーナーです。 どの程度この試みがうまくいくか、かなり未知数ではありますが、「試行なきところに成果なし」の精神で取り組んでいこうと思います。その意味で、他のカテゴリーのブログ記事以上に、読者の皆さんからのフィードバックを期待していますので、よろしくお願いします! また、もし今回からの一連のブログ記事を読んでみて、皆さんの方で、「勝手にディシジョンマネジメント」を適用すると面白いんじゃない!? と思われたテーマをお寄せいただければと願っています。 最初に取り上げるのは、先般話題となった「事業仕分け」です。インターネット上で全ての事業仕分けの様子の映像・音声が見られ、また関連説明資料や仕分け結果の資料も見られるので、皆さんも、このブログを読み進むにあたって、それらを参照しながら自ら考えていただければと願っています。 今回、題材として取り上げるのは、昨年11月26日に実施された「若者自立塾」です。このテーマを俎上に乗せることにとくに大きな意味はないのですが、たまたま私が個人的にニートの問題に以前から関心を持っていたこと、また、ビデオの長さが約一時間とあまり長くなく、ブログ読者の皆さんも見てみる気になりやすいのではないか、といった理由から、取り上げてみることにしました。以下が関連URLです: 若者自立塾のビデオ: http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg3117.html 関連配布資料: http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/pdf/nov11-pm-shiryo/08.pdf (この中のP70~74です。) 評価結果: http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov11kekka/2-7.pdf 「若者自立塾」のほかにも、いくつかの事業仕分けのビデオを、資料を参照しつつ見たのですが、共通して感じたのは、検討のプロセスがあまりに乱暴だということです。 当該事業の主管省庁から趣旨説明がなされて、それに対して仕分け人側から「この事業は本当に必要か? 税金を使ってまでやる価値があるのか? やり方としてもっと別の方法があるのではないか? このやり方をするにしてももっと効率化できるのではないか?」といった懐疑的観点からの質問や追及が、一種「つるしあげ」の雰囲気の中でなされます。 「役人って、もっとずっと賢いかと思ってたのに、意外に大したことないんだね」というトーンのマスコミ報道が多かったのですが、自分のこれまでの経験から、「一流企業の優秀といわれる人たちの作った企画書が穴だらけ」ということは実はそんなに珍しいことではない、と認識している私にとっては、「今さら何をわざとらしく驚いたふりをしてるんですか?!」という感じです。さらに言えば、今までこうした追及に慣れておらず、かついきなり全国民公開の衆人環視の場で追及されたら、よほどの人でない限り、オタオタするのが普通でしょう。 こうした雰囲気の議論では、必然的に「こんな案ではだめだ」というトーンになって、中止とか予算削減になるケースが多いのですが、この「当初提案の問題点を挙げるだけ挙げただけで、いきなり結論を出す」というプロセスは、あまりに乱暴だと思います。これだと、「案が悪いから却下」となったら、その事業のもともとの主旨、たとえば「ニートの若者たちの自立・社会復帰」については先送り、つまり、当面は何もせずに放ったらかしになってもよいのか?、ということになります。 もし「ニートの若者たちの自立・社会復帰」を税金を使って行うこと自体、他の使い道に比べて優先順位が低いから却下、というなら理屈はなりたちますが、事業仕分けの中ではほぼすべての仕分け人達が「この事業の主旨自体を否定するものではない」と言っていますから、どうみてもそういうことではなさそうです。 ということで、もう少しましな検討プロセスの設計が必要だし可能だと思います。今回のブログ記事はここまでとし、次回以降、ディシジョンマネジメント(DM)の考え方を活用した「プロセス改善の方向性」と、そのプロセスの中での幾つかのDMツールを使った、たたき台作りをトライしてみたいと思います。
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