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“The Buck Stops Here”の気構えを持ったうえでの衆知の結集を！。。。”OKY”や”JJY”を排して

カテゴリー: エッセイ・論説 2010 年 12 月 24 日 コメント(0)

まず、「当事者意識の重要性」という観点で4つのエピソード/トピックを書いてみます。

①ある企業のディシジョンラボのつい先日のワークショップで”OKY”という言葉を聞き、とても印象に残ったので、ご紹介します。

海外事業の事業戦略立案のテーマだったのですが、現地の実態を十分把握していていない日本の本社から、いろいろ文句や批判・要求が来て、現地で実際に苦労しながら事業を進めている人たちの間では、「お前、来て、やってみろ！」（頭文字をとってO・K・Y）という言葉が、嘆きと憤懣とともに語られている、ということです。

私も、ディシジョンラボやコンサルティングでプロジェクトチームの戦略策定をお手伝いし、それをチームがトップ層に発表した時、トップ層の中に腕まくり意識・当事者意識の薄い人がいて、評論家のように薄っぺらい批判だけをしたりすると、思わず「じゃ、自分で、やってみろ！」（頭文字をとって、J・J・Y）と叫びたくなることがあり、全く同感でした。

②前後してお会いした、ある企業のトップの方とお話ししていたら、「大きな方向性と夢を語る『ビジョン』と、既定路線の中できちんきちんと詰めて行く『オペレーション』の中間領域、すなわち『戦略アジェンダ（=重要戦略課題のリスト）の設定』や各戦略課題の『具体的戦略策定と意思決定』の部分が大変重要で、企業の幹部・トップ層は、その部分への取り組みをミドル任せにすることなく、腕まくりで自らリーダーシップを取るべき」ということをおっしゃっていました。

そして「自分も、リーマンショックがなかったら、そこをミドル任せにしていたかもしれない。やはりあれだけの環境激変の中、自ら矢面に立たされると、当事者意識を持って腕まくりで取り組まざるを得ず、そこでこのことの重要性を認識した。同じ頃に矢面に立たされた他社のトップたちと話してみると、彼らも同じ意識を持っており、日本の経営者も、この中間領域の重要性に気付いた人が増えてきているのではないか」とおっしゃっていました。

この方の場合、多分に謙虚さが入っているのですが、おっしゃることはまさにその通りで、人間、矢面に立たないとなかなか真の当事者意識が持ちにくいのだと思います。その意味で、①のケースで言えば、”OKY”や”JJY”と言われるような立場の人間、つまり自分は安全地帯に身を置いて、評論家的に人の批判をしていられるポジションを作らないようにすることが、優れた組織を作る上で大事なことだと思います。

③ここで思い出したのが、別の企業の役員の方から聞いた、福沢諭吉の言葉です。

：「行為する者にとって、行為せざる者は最も過酷な批判者である」。。。この役員の方は、ミドルからの提案を聞く際には、必ずこれを自戒の言葉として、議論することにしている、とおっしゃっていました。

④ついでに、だいぶ前のブログ記事に書いた、ミドルの提案に対するトップの言葉の禁句集というか反面教師として私がいつも言っている、「簡単お気楽4点コメント」というのを挙げておきます。

：１．夢がない、　２．地に足がついていない、　３．顧客視点がない、　４．競合優位性が見えない。。。。いずれも、このあとに、「それは今の提案にあてはめると、これこれこういうことで、それを改善・補強するには、たとえばこんな風に考えてみたらどうか、具体的にはこんなアイデアもある。。。」と続けばもちろんOKなのですが、簡単お気楽コメントをただ単に言うだけで、それ以上のアイデア・内容がなく、持っているポジションパワーゆえに、ミドルの人たちが質問や反論をしてこない状況にあぐらを書いている、というのでは戴けないわけです。

以上、当事者意識の欠如の問題や、当事者意識の重要性を述べてきましたが、数日前の新聞のコラムに、第2次大戦末期に就任したアメリカ大統領のトルーマンが座右の銘としていた”The Buck Stops Here”という言葉が紹介されていました。Buckというのは、（トランプのゲームの）ポーカーの親を示す印の小片のことで、要は「俺の後ろには誰もいない。だから自分が最終責任者として決めなければならない＆何とかしなければならない」という決意を示しているのです。

私の良く使う言葉で言えば、”It’s up to me!”精神、ということになります。しかし、常に”It’s up to me!”と一人で頑張っているだけでは限界がありますから、”It’s up to me!”精神を持った仲間が一緒になって協働し、”It’s up to us!”で衆知の結集を図ることが、最強の組織・企業体につながると思います。

②で紹介したトップの方も、そうした認識から、次世代部門長・役員候補である部長層の方々を対象として、ディシジョンマネジメントを活用した研修のことで私にお声がけ頂いたものです。

また少し長くなりましたが、今年最後の記事になりそうなこのブログの最後を、来年への決意を込めて、次の言葉で締めくくろうと思います。：

【”OKY”や”JJY”を排し、”The Buck Stops Here”の気構えを持ち、”It’s up to us!”精神をもつ仲間たちのコラボレーションで衆知の結集を図って、企業・事業・組織体の発展を目指そう】とする方々を、引き続き精いっぱい頑張って＆自分自身それに”Having fun!”を感じつつ、熱中して支援して行こうと思います！

少し早いですが、良いお年をお迎え下さい！。。。2011年が、皆さまにとってより良い年となるよう、心よりお祈りします。

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