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幸せの人生相談。。。悩み／問題に真剣に取り組む際の基本(1): 6つのキーワード（1〜3/6）

カテゴリー: 幸せの人生相談：より良く生きるための意思決定 2011 年 4 月 24 日 コメント(0)

またしばらくたってしまいましたが、前回（３月２９日）のブログで予告した「ロジカル人生相談」を、「幸せの人生相談：より良く生きるための『前向き／納得／ロジカル』意思決定」という新コーナーで、今回から展開して行きますので、よろしくお願いします！

展開の仕方としては、まず①「前向き／納得／ロジカル」に意思決定し、悩み事を解決して幸せに導く人生相談のための、基本前提／取り組み方についてお話し、次に②それを前提とした上での具体的方法論としての「意思決定思考の基本アプローチ」を紹介し、その後③いくつかの事例紹介を行って読者の方々の理解を深め、できればさらに④読者の方々から寄せられた実際の悩みや問題を取り上げて行くことで、このコーナーを読者と私のコラボレーションで作り上げて行く「幸せの人生相談」広場にして行ければと願っています。

①の「幸せの人生相談」のための基本前提／取り組み方については、６つのキーワードを通じて皆さんにそれらをお伝えしたいと思いますが、今回はまず最初の３つについてお話して行きます。

キーワード1：困難な状況でのありたい取り組み姿勢。。。「こんな私に誰がした」　　ではなく　　”It’s up to me/us!”精神へ

人は困難な状況に置かれると、ついつい過去を振り向いて「こんな私に誰がした」と人のせいにしたり、逃げ出したりしたくなるものです。しかしこればかりでは、現状を打破して明るい未来を切り開くことはできません。ここはぐっと腹に力を入れ歯を食いしばって、なんとか”It’s up to me/us!”（この状況をどう打破するかは全て自分次第だ／未来は自分たちの肩にかかっているんだ！）と前向きに取り組む姿勢が必要なのです。悩みに建設的に対処し打破して幸せに近づくには、常に第一歩としてこの「自律的意思決定」の取り組み姿勢が大事なのです。

とはいっても世の中には理不尽なこともあり、「『こんな私に誰がした！』とでも思わなけりゃ、やってられないよ！」、ということもあります。また、常に”It’s up to me/us!”の姿勢を保ち続けるのは、相当な精神的強靱性を必要としますから、普通の人間にとっては辛過ぎます。

ですから、ときには「こんなのやってられないよ！」とグチを誰かに聞いてもらったり、酒を飲んで紛らわしたり、あるいは趣味に没頭する時間を取るなどして精神的なガス抜きをしつつ、すこし元気が回復したら”It’s up to me/us!”と前向きな気持ちを取り戻す、という知恵／工夫も大事です。。。かく言う私など精神的強靱性不足のため、週に1〜2回はこうしたガス抜きをして何とか気持ちの折り合いをつけています。

キーワード2：意思決定への覚悟。。。自分に累が及ばない範囲での総論賛成　　　ではなく　　　身を挺してのコミットメントへ

前向きに自分の人生を切り開き意思決定して行く時には、その意思決定への覚悟が問われます。決して「自分に累が及ばない範囲での総論賛成／各論反対」といったことではなく、自ら汗をかき当事者として必死に取り組む覚悟が必要です。英語でコミットメントという言葉は「実行を神に誓う」といったニュアンスの、強い言葉で、直訳すれば「確約／誓約」ということですし、意訳すれば「やる気／覚悟／納得感」といったニュアンスです。

2000年にゴーンさんが日産にやって来て、「コミットメント」を合言葉に日産リバイバルというのをやってのけてから、日本でもこの言葉がポピュラーになりました。そして最近では「必達目標」といった訳がついたりしますが、実は「必達目標」と言ってしまうと、本来の意味からはずれてしまうので気をつける必要があります。

コミットメントというのは、あくまで内発的／自発的な自由意志に基づくものであり、決して上司や他人から押し付けられたものではないからです。従って後者のニュアンスの「ノルマ」とは似て非なるものなので、気をつけて下さい。

キーワード3：意思決定への具体的な取り組み方。。。定義のあいまいな意思決定／シナリオづくり　　　ではなく　　　意思決定と不確実性と価値判断尺度の峻別による明確な取り組みへ

ではその意思決定への具体的な取り組み方ですが、よくありがちなのが極めてあいまいな意思決定とかシナリオづくり、とやつです。つまり何を決めて何が決まっていないのかが不明確だったり、単なる願望の羅列だったりするものです。

まずはここで、意思決定の定義をしっかりしておきましょう。意思決定理論における私の師匠であるスタンフォード大学のロナルド.ハワード教授による定義に則って、次のように定義します。

意思決定とは；　やり直しのきかない（=後戻り出来ない）経営資源の配分を実際に行うことへのコミットメント（=誓約／確約／決意）

つまり、人／もの／金／時間といった経営資源配分と不即不離なものとして意思決定を定義する訳で、逆に言えば経営資源配分を伴わないものは意思決定ではない、ということになります。また、経営資源配分にコミットする、ということは、自分がコントロール出来ることについてしか意思決定は出来ない、ということにもなります。

ですから、たとえば「自分が幸せになる」とか「あなたを幸せにする」ということは、そのこと自体を直接コントロールは出来ないので、こうした意思決定はできない、ということになります。。。もし出来るとすれば、定義によって、そういうことができる存在は神、ということになるので、神ならぬ身の人間としては、誰しもそういう意思決定は出来ないのです。

神ならぬ身の人間として出来ることは、自分が幸せになったり、相手を幸せにすることに向けて、具体的に自分にコントロールできる経営資源を使って、（複数項目の）何をどうやるか、ということであり、そこまで考えを地に足の着いた形にブレークダウンして考え、そして実行することなのです。

つまり、上記の意思決定の定義を使うことで、思考や行動がより具体的になって行くことにもなります。この「具体性を持った思考／行動」というのが、ディシジョンマネジメントの一つの大きな特徴です。

ですから、このブログコーナーの名前の「幸せの人生相談」というのも、幸せになるためにどんな具体的挑戦課題があるのか、逆に悩みがあって今は幸せではないという具体的状況に対して、どうこれからの自分の経営資源（時間やお金など）を使って行動していくかについての助言を得る/示唆を得るためのコーナー、ということになります。

さて、悩みや問題を解決するための意思決定においては、まず迷うに足る複数の選択肢を案出する必要があります。またそれぞれの選択肢を実行したときの結果に大きな影響を与えるものの、自分では完全にはコントロール出来ない様々な不確実要因の存在を認識する必要があります。

ちなみにそれぞれの不確実要因が実際にどうなるか、どう転ぶかについての複数の道筋をシナリオと呼びます。ここで大事なことは、意思決定において自ら選びうる「選択肢」と、自分には選べずコントロール出来ない不確実要因についての「シナリオ」を峻別して捉えることです。世間での通常の言葉の使い方としてはこの二つを一緒くたにする傾向がありますが、具体的に前向きに悩みや問題に取り組む際には、この峻別が極めて重要です。。。先ほどの話と重なりますが、すべてをコントロールできる神であれば選択肢とシナリオを区別する必要はないでしょうが、神ならぬ身の人間としては、必ずこの二つを分けて考える必要があるのです。

選択肢とシナリオの峻別に続き、３つ目のものとして認識すべき要因は、「価値判断尺度」です。複数の選択肢を実際に実行した時、その結果に影響を及ぼす不確実要因がどんな（複数の）シナリオをたどりうるか、それらを勘案した上で、どの選択肢を選ぶのがベストかを決めるわけですが、その際、いったい「どんな状況が嬉しいか」がわからなければ決め得ないわけで、その「どんな状況が嬉しいか」を指し示すのが「価値判断尺度」ということになります。

そして、個人の意思決定でも集団の意思決定でも、ただ一つの価値判断尺度に照らして意思決定する、ということはごくまれで、たいていは複数の価値判断尺度に照らして総合的に決めますから、こうした複数の価値判断尺度を明確に認識し、集団での意思決定の場合はそれらを共有化することも必要になります。

以上、（複数の）意思決定項目（＆それぞれでの複数の選択肢）と、（複数の）不確実要因（＆それぞれでの複数のシナリオ）と、（複数の）価値判断尺度の明確化と認識／共有化（→見える化）により、具体的な意思決定への取り組みが可能になるのです。

以上、６つのキーワードの中の最初の３つまでを説明しましたので、次回は残りの３つ（4〜6/6）について説明して行きたいと思います。

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