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幸せの人生相談：事例2「職場の不満／悩みをどう打開するか？」。。。悩めるキャリア女性、Ms.草刈の場合(2)。。。

カテゴリー: 幸せの人生相談：より良く生きるための意思決定 2011 年 5 月 30 日 コメント(0)

前回の事例2-(1)でお話ししたように、Ms.草刈のディシジョンツリーの６つのケースの嬉しさ順番までは分かったのですが、Ms.草刈の口ぶりから、（事例1の、娘に専用の携帯電話を持たせるか否かの悩みの場合とは違って）どう考えても、どのケースも「確率が0」ということは考えにくそうです。

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そこで欽一は、つい先だって多聞から習った「（相対的な）嬉しさ点数」の考えを適用することとしました：

○「（相対的な）嬉しさ点数」というのは、順番付けした各選択肢の相対的な嬉しさを、点数で示すものです。このような場合、各ケースの相対的な嬉しさ度合いがわかれば良いので、点数の付け方としては、｢より点数の大きいものの方が、嬉しさが大きい｣といった程の意味合いで点数をつけます。したがって、点数の絶対値自体はあまり意味を持たないのですが、便宜上、出て来たケースの中で最も嬉しさ度の大きいケースを１００点、最も嬉しさ度の低いケースを０点として、その間にある他のケースの相対的な嬉しさ度を、意思決定者本人の主観/気持に基づき｢うーん｣と唸りつつ、つけてもらいます。

○Ms.草刈は、先ほどの｢嬉しさ順番｣をつける際に自分の気持ちの中に浮かんだ嬉しさ度合いの実感を反芻しながら、図1の右端のように嬉しさ点数をつけました。つまり嬉しい方から順に；「社内で異動してうまく行く」⇒１００点、「社外に転職してうまく行く」⇒７０点、「異動しないでうまく行く」⇒４０点、「社内で異動してうまく行かない」⇒３０点、「社外に転職してうまく行かない」⇒２０点、「異動しないでうまく行かない」⇒０点、となりました。

○次に欽一は、今度は各選択肢での確率の読みをMs.草刈に尋ねました。それに対するMs.草刈の返事は；

○「実は今反省をしているのですが、今の職場でのストレスに悩んでばかりいて、社内異動を希望した場合の他の職場の可能性や転職先の可能性について、ちゃんとした情報収集が出来ていません。。。なので、とりあえず今持っている情報、というかイメージだけで、今回は答えさせて下さい。」と前置きした上で；

○「社内で異動する場合と転職する場合での『うまく行くか/行かないか』の確率は、今言ったような状態なので、良くわからないというのが正直なところですが、まあ五分五分ということで、どちらの選択肢でも50%／50%としておきます。一方、「異動しない」の選択肢の場合は、これまでも今の部長とは、改善に関する話を全くしてこなかったわけではないので、今後すこし思い切った言い方をするとしても、うまく行く可能性はあまり高くないと思うので、『うまく行くか／行かないか』の確率は、20%／80%といったところだと思います。」

○ここまでのことをディシジョンツリーに書き込んだ上で、欽一は、これも先日、多聞から習った「期待値」の計算に取りかかりました。「期待値」というのは、不確実性をもった選択肢の、各シナリオでの嬉しさ点数の「確率重み付き平均」のことで、それぞれの選択肢の「筋の良さ」を示す一つの指標です。（ここから先の説明は、以下の図2を参照しながらお聞きください。別窓で大きく表示するには画像をクリックしてください。）

○基本的にはこの「期待値」が大きい選択肢の方が、より望ましい、と考えるのですが、不確実性の各シナリオ間で、あまりに嬉しさ度合いに違いのある場合は、悪いシナリオに振れるリスクのことを考えると、必ずしも期待値が大きいだけでその選択肢を選ぶ、ということにはなりません。ですから、【「期待値が大きい程良い」と考えるが、同時に「振れ幅は小さい方が良い」とも考えて】、総合的な判断をして行きます。

○さてMs.草刈の場合はどうなったかというと、以下の図2の左側に示すように、上から順に、「社外に転職する」が期待値４５点（=（70）（0.5）+（20）（0.5））、「社内で異動する」が６５点（=（100）（0.5）+（30）（0.5））、「異動しない」が８点（=（40）（0.2）+（0）（0.8））となり、まず期待値では「社内で異動する」がだいぶ優位にあることが分かります。。。。もともと主観的確率の読みも、相対嬉しさ点数の判断も、いずれも主観的なものですから、そこでの数字自体の精度はあまりないので、期待値の値の差が僅差の場合は判断が難しいのですが、これだけの大きな差であれば、まずは「社内で異動する」の優位性は動かないと判断して良さそうです。

 

○また、振れ幅についていえば、「社内で異動する」の振れ幅は、100点-30点なのでその差は７０点と大きいのですが、基本的に振れ幅の場合に問題になる「リスク」というのは、「悪い方のシナリオのひどさ」で、それについては３０点と、他の二つの選択肢の悪い方のシナリオである２０点や０点よりマシなので、振れ幅についてもほぼ問題ないといえます。

○ということで、今時点で得られた情報のもとでは、Ms.草刈は、かなりの自信をもって「社内で異動する」という選択肢を選んで良さそう、という結論になります。

○ここまでの議論を通じて、Ms.草刈は確かな納得感を持ってこの選択肢を選ぶ気持ちになったのですが、欽一は、「直ちに行動に移す前に、もう二つばかり助言させて下さい。」と言いました。

○これを聞いたMs.草刈は、じっと欽一を見つめています。。。

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だいぶ長くなって来たので、ここから先は、次回のブログに書き継いで行きましょう。

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