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読後独語：「21世紀の薩長同盟を結べ」を読んで。。。「本当の豊かさ」の実現のために、持ち味や価値観の異なる人たちの、互いのキャラクターを生かしたコラボレーションが重要、というメッセージに共感！

カテゴリー: 日常雑感・プライベート 2012 年 3 月 20 日 コメント(0)

「21世紀の薩長同盟を結べ」—倉本圭造著（星海社新書）、という本を読みました。著者がMcKinseyの後輩ということもあり手に取ったのですが、大変興味深く哲学的深さもあり、また日本人の一人として大いに勇気づけらました。

とくに—私の解釈が入っているもしれませんが、【「本当の豊かさ」の実現のためには、持ち味や価値観の異なる人たちの、互いのキャラクターを生かしたコラボレーションが重要。それは今の日本の力強い再生に必要だし、もしこれに日本が成功すれば、世界に先がけた成功モデルとして、21世紀以降の人類への大きな貢献になる】というメッセージに共感しました。

ディシジョンマネジメントの持つ「衆知の結集への信頼」に賛同して頂いている（。。。と勝手に思っていますが）このブログの読者の方々には、是非お勧めです。以下、この本の中で私が印象に残った/共感したフレーズを列挙してみたいと思います。。。これを見て頂ければ、だいたいどんなトーンか想像できるかと思います。

 

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〇ホンモノの「自然の生存競争」と「豊かな土壌」は両立している・・・・・原生林・・・「陽樹」「陰樹」「微生物」・・・

〇社会全体が短視眼的に単純すぎる部分に特化すると、言ってみれば「生態系が単純化」してしまい、「イキイキと生きられる人間の種類」が非常に限定されるようになり、その人間の本来の性質からすると無理に無理を重ねて生きねばならなくなるような人が増え、社会に怨念が渦巻いて、良からぬ状況が現出してしまいます

〇「彼らの本来的な活かし方」を「そもそも論」のレベルで我々が理解していさえすれば、もっと根本的な解決が図れるのではないか？

〇グローバリズムとは、「ダメ人間の怨念」がどこまでも蓄積される社会

〇21世紀の日本で実現されるべき「薩長同盟」・・・・・当初はものすごく憎しみ合っていた薩長両藩が手を握ったような「新しい連携」が生まれれば、日本経済は息を吹き返す

〇「本当の転換は企業単位でなく個人単位からでなくては起こせない」

〇新興国の経済が順調に伸びているのは、彼らはまだ「生まれて初めて車を買ったり薄型テレビを買ったりエアコンを買ったり」する人たちだからです。それらの「20世紀的成功の象徴」にはだいぶ飽き気味になってしまっている・・・・・私たちだからこそ、「その次」をゼロから新しく作り出すことができるはず

〇基本的に日本が特異な可能性を発揮するときというのは、欧米人がそのクリアーな論理でデジタルに追い詰めた行き止まりにおいて、その「論理の行き止まり」と「現実の手触り感」との間を何度も往復しながらブレイクスルー（新しい発明・発見・展開）を起こす・・・・・パターンがほとんどです

〇私は、こういう日本人の独特の知的作用のことを「PQ（ピーキュー）」という名称で呼んでいます・・・・・IQ（Intelligence Quotinent＝いわゆる知能指数）・・・・・EQ(Emotional Intelligence Quotinent＝ココロの知能指数）・・・・・PQのPの部分には、「フィジカル（Physical＝身体的・物理的な）」「パーソナル（Personal＝個々人の内面の奥底から生まれるような）」、そして「フィロソフィカル（Philosophical＝哲学・思想的レベルまで巻き込んだ）」という「三つのP」を含意しています

〇「PQ的大道楽」・・・・・10年・・・・・かけて一貫して自分のなかで徐々に蓄積していった構想・・・・・それは必ずその「重み」によって周りを巻き込みます

〇普段なんの準備もしていないのに、だんだん本業の状況が「本当に抜き差しならないくらい悪く」なってから、決死の思いで「今これが流行っているらしい」みたいなものに突っ込んでいって大爆死する・・・・・・という会社はかなりあります

〇主役となっている人の「思いの強さ」自体が優位性・・・・・「自分はこれがいいと心から信じているから大丈夫」と「思っていいんだ」ということです

〇「自分の信条に共鳴してくれるタイプの顧客」が「この指とまれ」的に集まってくる・・・・・そうやって「客が自然に選ばれる」ことによって、さらにそこには濃密な「新しい文化」が生まれていく・・・・・「ソウルメイト（魂の近い友人）・マーケティング」

〇「知性の形」というのは無数にありえるもの・・・・・そう捉えることが、むしろ「科学的に合理的」

〇（数学—解析学の）高木貞治先生が言っている・・・・「特殊から一般へ！　空虚なる一般論にとらわれないで、帰納の一途に精進すべき・・・・」

〇我慢強い沈黙の現場に、「日本の経営」は甘えている・・・・・「現場のリアル」と「経営側の知性」との連動の不足

〇いろんなタイプの力をそれぞれなりに発揮させてこそ・・・・・

〇その場その場で必要なことを自分の頭で考えて、新しく創り出していく・・・・・

〇口を開けば「国内企業は過去の成功体験に縛られてグローバリズムに対応できていない」などと他人事のように批評する人間が、何らかオリジナルなものを提示できているかというと、そんなことは決してありません・・・・・

〇「日本人の集団を動かすための専門技術」に長けた「日本特有の自前の知的エリート」を分厚く養成していくことが必要

〇カリスマに頼らないで、本当に良い場づくりを次々生み出す方法を考えよう

〇たとえラーメン屋でも家電量販店でも、なんか「いいなあ」と人が自然に集まってくるようなところは「敬意」に満ちているのです

〇「自分自身の本当のニーズ」だけは、自分自身の責任で、自分でなんとか見つけ出さざるをえない

。。。。。

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読み進みつつアンダーラインを引いて「うんうん、その通り！」というところは、まだ他にもあるのですがあまりに多いので、これくらいにしておきます。

列挙したフレーズが多いことが、即ち私が倉本氏の主張に賛同する部分が多いことを示していますが、普段私が思っていることをクリアーに説得力ある形でよくぞ言語化してくれた！と感じています。

そして以下のような、私がよく口にする信条とも通底していると思います。

◇立場の異なる協働作業者

◇衆知の結集

◇思いの強さ、志（こころざし）

◇相互信頼/Mutual Respect

◇It’s up to me/us!

 

また、私がコミットしてここ20年以上やっている—–倉本氏流にいえば「PQ的大道楽」ということになるのかもしれませんが—–ディシジョンマネジメントの提唱活動やそこで活用するツール/コンセプトが、倉本氏の言う「21世紀の薩長同盟」的な世界を実現することにも、役立つのではないかと思った次第です。

たとえば、様々な人達の割り切れない違和感もあますことなく吐露してもらうことで、建設的コラボレーションの出発点・共通土台をつくる「ビジョンステートメント」や「フォースフィールド・ダイアグラム」、それらをもとに、場の空気も取り込んで的確なフレーム設定やロジック展開を促進する「ディシジョンヒエラルキー」や「ストラテジーテーブル」etcです。

 

もちろん人ぞれぞれですので、倉本氏の考えと私の考えが完全に一致することなどあり得ませんが、共鳴するところの多い著者だと感じた次第です。

それと、先に列挙したフレーズの中にあった「ソウルメイト・マーケティング=自分の信条に共鳴してくれる、魂の近い人達へのアプローチ」ですが、ここ1～２年の私の経験もそれに相当するのかなと思い当りました。

というのは、最近徐々に、以前セミナー等でお目にかかり共鳴して下さったマネジャーや役員の方々、また大学院での社会人学生の方々からの声掛けでの、戦略課題解決や研修などの仕事が増えてきているからです。

その意味で、このブログでの発信もソールメイト・マーケティングの一つなのかなと思いますが、私の考えに共鳴したソウルメイトの方々に良い影響が提供でき、さらに共鳴した人たちと、互いに気持ち良く充実してコラボレーションできるということは、本当に嬉しいことだとあらためて感じています。

 

 

 

 

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