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「事業仕分け」を仕分けする。。。「建設的事業ブラッシュアップ・ワークショップ」への進化を願って:「若者自立塾」を題材として【9】

カテゴリー: 勝手にディシジョンマネジメント 2010 年 3 月 22 日 コメント(0)

前回紹介したような手順でForce-field Diagramの各論点からDecision/Uncertainty/Valueの意味合いを抽出して行った上で、今回の「若者自立塾」を題材として【9】 では、それらを活用して、ディシジョンマネジメントの次なるツールを適用して行く様子について述べて行きましょう。

具体的には、「ディシジョンヒエラルキー」、「ストラテジーテーブルと複数の戦略テーマの設定」と続いて行きますが、まずはディシジョンヒエラルキーからトライしてみましょう。

 

ディシジョンヒエラルキー

□ポリシーレベルの意思決定項目（今回の検討における大前提/与件確認事項）

１．ニート対策を個人任せにせず、何らかの形で公の機関が取り組むことには意義があり、その主旨は尊重されるべきである

２．ただし、この「公の機関」は、必ずし「国」であるとは限らず、「地方自治体」など他の主体が担う可能性まで含めて検討することとする

・・・・・

□戦略レベルの意思決定項目（今回の検討・分析対象であり、複数の戦略オプションの検討を行う）

1.　支援対象者：　基本的生活習慣レベルで困難を伴うニートの人達　or　基本的生活習慣レベルには特段問題を持たないニートの人達　or　両者を含むニートの若者全体　・・・

2.　対象事業：　若者自立塾　or　サポセン　or　両方　・・・

3.　事業主体：　国　or　地域/地方自治体　or　・・・

4.　委託先：　JPC　or　その他の非営利団体（たとえば社団法人XYZ）　or　各地のニート支援NPOへ直接委託　・・・

5.　費用負担：　現行レベル（低所得世帯への特例制度を含めて）　or　全額を公費で負担し本人負担はなし　or　（逆に）実費は全額本人負担　・・・

・・・・・

□戦術レベルの意思決定項目（今回の検討ではここまで細かいレベルの検討は行わない。。。戦略レベルの検討が終わってから、取り上げることとする）

1.　監査体制：　現行並み　or　巡回体制を強化　or　アンケート調査　or　特段行わず（万一の時の厳罰を設けた上で、信頼して任せる方が、不正を前提として監査体制を強化するより、結局 効果的&安上がり）

2.委託先（現行ではJPC）のコンサルタントへの支払い条件や金額設定

3.入札の際の委員の選任方法

・・・・・

 

 

さて次は「ストラテジーテーブルと複数の戦略テーマ設定」へのトライアルです。

 

ストラテジーテーブルと複数の戦略テーマ　　。。。今時点での私の知識レベルと想像力では、あまり気の利いたものをつくることはできないので辛いのですが、それでも頑張って、一応3つほど戦略テーマを考えてみます。ブログの書式の制約のため、上記のディシジョンヒエラルキーのフォーマット（具体的には、中段の「戦略レベルの意思決定項目」のところ）を使い、その戦略テーマにおいて選択するオプションを赤字＆太字＆アンダーラインで示すこととします。

なお、方法論として読者の皆さんに理解していただくことを主眼に、どの戦略テーマも あえて かなり「とんがった」ものを提示してみます。また ここでの各戦略テーマは、もともと これらのたたき台をディシジョンボードがもう少し丸くしたり、あるいは実現可能性を考慮しつつ発展させるための「たたかれ台」という意味合いのものです。さらに言えば、このあとの作業である、各戦略テーマの定性的＆定量的評価・分析を通じて得られる洞察から、よりよい選択肢を作り上げていくための出発台、という位置づけです。。。あくまで検討作業のイメージを持ってもらうためのものですので、決して「これが籠屋のお勧め案」という性格のものでは全くないので、念のため。

□戦略テーマ1「サポセン中心」。。。趣旨：　ニート対策は、社会適応しやすい人たちに絞り、かける公費に対する将来の税金リターンないし生活保護等による税金投入減額を狙う。中間管理にかかる費用をミニマムにすべく、委託はせず、サポセン機能の効率的拡充で実現する。一方、基本的生活習慣レベルで問題のある若者たちは、気の毒ではあるが、かかる公費に対するリターンという観点から、国民全体として「ない袖は振れない」の考え方の下、公費投入は断念。この人たちが将来、親が面倒をみてくれない状況になった時には、生活保護費投入などで、最低限の生活はできるようにする

1.　支援対象者：　基本的生活習慣レベルで困難を伴うニートの人達　or　基本的生活習慣レベルには特段問題を持たないニートの人達　or　両者を含むニートの若者全体

2.　対象事業：　若者自立塾　or　サポセン　or　両方

3.　事業主体：　国　or　地域/地方自治体　or　・・・

4.　委託先：　JPC　or　その他の非営利団体（たとえば社団法人XYZ）　or　各地のニート支援NPOへ直接委託　or　なし

5.　費用負担：　現行レベル（低所得世帯への特例制度を含めて）　or　本人負担を現在の4分の1レベルまで軽減（その分、公費負担を増やす）　or　全額を公費で負担し本人負担は全くなし　or　（逆に）実費は全額本人負担

 

□戦略テーマ2「若者自立塾大幅拡充」。。。趣旨：　ニートの若者たちにも、充実した人生を送れるようにすることは、日本の国民全体の願いである。従って、そのための税金投入に対するリターン、といった考え方はとらず、かなり充実した支援を行う。ただし、そうは言っても成果を上げるための工夫はすべき。具体的には、より効果的な施策に詳しい地域/地方自治体を事業主体とし、そこから各地のニート支援NPOに直接委託することとする

1.　支援対象者：　基本的生活習慣レベルで困難を伴うニートの人達　or　基本的生活習慣レベルには特段問題を持たないニートの人達　or　両者を含むニートの若者全体

2.　対象事業：　若者自立塾　or　サポセン　or　両方

3.　事業主体：　国　or　地域/地方自治体　or　・・・

4.　委託先：　JPC　or　その他の非営利団体（たとえば社団法人XYZ）　or　各地のニート支援NPOへ直接委託　or　なし

5.　費用負担：　現行レベル（低所得世帯への特例制度を含めて）　or　本人負担を現在の4分の1レベルまで軽減（その分、公費負担を増やす）　or　全額を公費で負担し本人負担は全くなし　or　（逆に）実費は全額本人負担

□戦略テーマ3「ニート予防策フォーカス」。。。趣旨：　気の毒ではあるが、すでにニート化した若者たちを自立させるための支援事業は、費用対効果の面から非常に苦しい。従って今後の対策は、いかに若者を「ニート状態プール」に来させなくするか、という予防策にフォーカスすべき。予防策にノウハウを持つNPOや研究者の知見をもとに国が大枠のガイドラインを作ったうえで、実施は、地域/地方自治体とNPOにまかせる。すでにニー化した若者たちについては、気の毒ではあるが、戦略テーマ1と同様、この人たちが将来、親が面倒をみてくれない状況になった時には、生活保護費投入などで、最低限の生活はできるようにする、という方向で考える

1.　支援対象者：　基本的生活習慣レベルで困難を伴うニートの人達　or　基本的生活習慣レベルには特段問題を持たないニートの人達　or　両者を含むニートの若者全体　or　ニート予備軍（中学生・高校生・予備校生・専門学校生・大学生・大学院生）

2.　対象事業：　若者自立塾　or　サポセン　or　両方　or　（仮称）若者巣立ち促進・支援センター（現状のサポセンを大幅改組 ないし 廃止した上で新設）

3.　事業主体：　国　or　地域/地方自治体　or　国&地域/地方自治体・・・

4.　委託先：　JPC　or　その他の非営利団体（たとえば社団法人XYZ）　or　各地のニート支援NPOへ直接委託　or　なし

5.　費用負担：　現行レベル（低所得世帯への特例制度を含めて）　or　本人負担を現在の4分の1レベルまで軽減（その分、公費負担を増やす）　or　全額を公費で負担し本人負担は全くなし　or　（逆に）実費は全額本人負担

 

 

以上、今回のブログ記事では「ディシジョンヒエラルキー」と「ストラテジーテーブルと複数の戦略テーマの設定」について、たたき台（のトライアル版）を示してきましたが、既にかなり長くなってしまったので、「価値判断尺度のリストアップ」のところ以降は、次回のブログに書きついで行きたいと思います。

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