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最近何回かのブログエントリーで硬い話が続いたので、今日は少し柔らかいトピックです。

7月12日付の「日常雑感/プライベート」のカテゴリーのブログエントリー（「読後独語。。。村上龍著『無趣味のすすめ』を読んで」）の中で、「夢」についてふれて以来、夢の定義やとらえ方について、いろいろな人の文章や言葉が気になるようになりました。今日は印象に残った４つについて、皆さんに紹介してみたいと思います。

 

①【夢と目標・・・・・何か具体的なものを目指す人にとって、実現を図ることは夢なんかでなく現実だ。夢という言葉がこれほど流通しているのは、個人的な目標を持つことが人生の大前提だというコンセンサスがない社会だからだろう。夢は、常に大っぴらに、屈託なく楽しそうに語られる。だが目標はそうではない。目標は達成されるべきもので、語られるものではない。・・・・・目標は自らの中に封印されていなければならない。だから目標を持つのは基本的に憂うつなことなのである。】

:　まず最初は、先の私のブログエントリーから転記した、村上龍氏の見方です。「脳天気に、屈託なく夢など語るな、目標を持って現実に実現をはかれ、そんなことは人生の大前提だろ！」ということですね。

 

②【「夢に日付を」、「勝つまで戦う」】：　ワタミ社長の渡邉美樹氏のトーンも、書籍紹介などを見ると、村上氏のいう「目標」を「夢」と呼んでいる点は違うものの、「目標を持って力強く、粘り強く実現を図れ」、という意味では同じ方向なのかと感じます。（残念ながら書籍そのものは買って読んではいないので、想像ですが。）

 

③【2004年に、長野県にワイナリーをオープンしました。周囲は、「玉村が長年の夢を実現した」と捉えたかったようです。しかし、当の本人にとっては、夢でも何でもありませんでした。やりたいと思ったことを、時間をかけてコツコツと準備していたら、実現してしまっただけのことです。夢というよりは、目標だったというのが相応しい。

・・・・・夢を持つ。それをすべて否定するつもりは毛頭ありません。ただ、自分にはできそうもないことや、自分にないものを追い求めるのであれば、そうした夢は持たない方がいい。それは、夢というよりも、羨望になるからです。・・・・・ワイナリーを開いて、日々生き物である植物と、気まぐれな天候を相手にするようになって、身に染みてわかりました。世の中には、自分の力ではどうしようにもできないことがあることを。

・・・・・自分がこうしたいと目論んでも、自然はそんなことなどお構いなしです。ですから農作業はいくらやってもキリがありません。日が暮れたら、仕事はおしまいにして、「今日も1日よく働いた」と振り返るしかないのです。しかし、そうした日々があるから、また明日働く意欲がわいて来るのです。今日できることをしっかりやり遂げれば、明日すべきことが生まれてくるのです。】

：　少し長くなりましたが、日経ビジネス7月27日号の「著者に聞く」という本の紹介コラムでの、作家でワイナリー経営もしている玉村豊男氏へのインタビュー記事からの抜粋です。（残念ながら、これも、紹介されている「今日よりよい明日はない」という本はまだ読んでいません。）

インタビューのはじめのあたりは、①や②と同様、「果たせぬ夢より、実現させる目標」というニュアンスですが、途中から、A.実現可能性を考慮することの必要性と、B.自分ではコントロールすることのできない不確実性の存在の認識と受容、そしてそれを踏まえた上でのC.実現へのプロセス自体を価値あるものとして積極的に捉えることの重要性について語っており、「わくわくする事業構想の実現を目指しつつ、不確実性とリスクの中で、自らのもつ経営資源とスキルの制約もふまえながら、現実に力強くチャレンジしていく」ディシジョンマネジメントのフィロソフィーと同じ方向のとらえ方だと感じました。

また、C.の良さは、達成したらそれで終わり、その次の日から何をしたらよいかわからなくなってしまう、ということにならないことです。つまり、夢ないし目標は、毎日着実に実現・達成しているのであり、その実現レベルが持続的に高まっていく、つまりレベルアップし続け、その過程自体、充実感と楽しみのある　Never ending story　ということです。

 

④【努力した。才能もある。それでも、かなえられるかどうかわからない。だから「夢」という。】：　7月23日に放送された、「ふたつのスピカ」というNHKの学園ドラマでの、登場人物の言葉です。上のA.を考慮しつつ自分の「好き」と「得意」が生きる「わくわくする目標」を設定し、それに向かって最大限の努力をし、その中でB.を認識しつつ、C.の精神で前向きに取り組んでいく考え方が、短いセリフの中に見事に表現されていると思います。

学園ドラマのセリフに感動してウルウルしまう自分を「いい歳してなんだかなあ～」と思いつつも、素直に良い言葉だと感じました。。。「ひょっとすると、おじさんになったがゆえに、逆に素直に学園ドラマに感動できるのかも」などと自分に言い訳をしています。

 

 

以上、「夢」の定義ととらえ方について、印象に残った４つを紹介しましたが、今の私のとらえ方は、③、④が一番近いかなと思います。そのとらえ方における私自身の今の夢&目標は、【自分（達）がリーダーシップを発揮する組織や企業、ひいては社会の嬉しさ総額（Net Pleasure Value）を大きく増大することに対し、強い内発的パッション（Net Passion Value）を持って取り組む人たちに、意思決定思考の思考体系を伝え、彼らの夢&目標の実現を支援しつつ、意思決定思考の考え方に共鳴し活用する人たちの輪を広げていくこと】だと考えています。

最後は私の夢と目標を語ってしまいましたが、読者の皆さんの、夢の定義やとらえ方、さらにご自身の夢、またこのブログエントリーへの感想など、どんどんお寄せ下さい！