【未来の可能性を最大化する】ディシジョンマインド社は研修やセミナーを通してみなさんの経営戦略に必要な意思決定力の向上を支援する会社です

先日、「生成AI時代のチームビルディングと組織開発」（東レ経営研究所主催）というセミナーにオンライン参加しました。3つの講演がありどれも興味深かったのですが、「人工知能の未来　Chat GPTを越えて」と題した北海道大学教授 川村秀憲氏の講演から、とくに大きな知的刺激を受け、とりわけ「正解がないものについての意思決定こそが人間のやるべきこと」というメッセージに、大いに意を強くしました。

その後、川村先生の著書「ChatGPTの先に待っている世界」（株式会社dZERO刊）を購入して読んだのですが、読みながら色々なことを妄想的に考えたので、その諸々をブログ記事につづってみます。

まずは、この本の中で印象に残ったところを抜すいしてみます。

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…こうした人工知能の進歩により、今後「どのような課題に人工知能を応用していくか」が重要性を増してきます。とくに、一つの正解が存在する課題ではなく、人それぞれの価値観に合わせた正解があるような課題に対して、人工知能を応用していくことを検討していくべき時期にきているように思います。

例を挙げれば、個々人に合わせたファッションを提案する人工知能、人間の気持ちを読み取って雑談を一緒に楽しめる人工知能、あるいはゲームで遊び相手になる人工知能などが考えられます。

これらの課題では、一律の正解を定義することは困難であり、一人一人の人間に着目した課題を立てる必要があります。人工知能を使う人それぞれの価値観に合った、心地よい正解が多様に存在するイメージです。一人一人の心を読んで臨機応変に対応していく人工知能が実現できれば、私たちの暮らしは一変することは間違いありません。私は研究者として、非常に抽象的で明確な答えがない課題にこそ、人工知能を役立てたいと考えています。

…現在の人工知能は「単目的最適化問題」という単一の指標を追求する課題設定でできています。一つの目的関数を最適化するという形で表現できる課題は人工知能の得意分野であり、イラスト生成や文章生成などの人工知能も何らかの目的関数の最適化が行われた結果、高い能力を発揮するようになっています。

…難しい問題をいかにして単一指標の最適化問題に落とし込むかが、現在の人工知能開発の核となりつつあります。

しかし一方で、すべての問題がこの形に還元できるわけではありません。そういった問題の一つに「多目的最適化問題」があります。多目的最適化問題とは簡単に言うと、複数の指標を同時に考慮しなければならないような問題です。

…具体的な例を見ながら、この「多目的最適化問題」を理解してみましょう。大学を卒業後、就職して一人暮らしをするために家を借りるという状況を考えてみてください。家探しには家賃や家の広さ、立地などさまざま指標が存在します。しかし、すべての指標を完全に満たす理想的な物件を見つけることは難しいでしょう。広くて駅から非常に近い物件は家賃が高くなりがちで、家賃が安い物件は狭いか駅から遠い可能性があります。これらの情報を集めて物件を検討していくと、最後に残るのは、あちらが立てばこちらが立たずという候補ばかりでしょう。

このような候補を多目的最適化問題では「パレート最適解」と呼びます。一つの候補から別の候補に移る際、最低でも一つの要素が悪化する解のことです。

パレート最適解から一つの候補を選び出すためには、どの指標をどの程度重視するかを決定しなければなりません。どの指標を重視するのかはその人自身が決める必要があります。人工知能はもちろん、ほかの人に決定を委ねることはできません。このような問題は個々人の観点や価値観に根ざしているからです。

こういった決定の中で一つの選択肢を決めることを「意思決定」といいます。個人的な日常生活から、企業の戦略、政策決定に至るまで、私たちが行うさまざまな行動には意思決定が関与しています。そして私たちが直面する意思決定の多くは、多目的最適化問題にほかなりません。仕事を選ぶとき、買い物をするとき、ご飯を食べるとき、そのすべてが多目的最適化問題と言えるでしょう。それらの解答は、その人がどのような指標をどの程度重視するかにより、大きく変わってきます。

…一人で意思決定をする場合は、結果に対する責任が自分自身にありますが、複数人で決定を行う場合、そのプロセスは複雑になります。家族で新しい家を借りる場合を考えてみましょう。

通勤の必要がある家族は、駅近の家を希望しているかもしれません。一方、通勤の必要のないその他の家族は、広くてきれいな家を望んでいるかもしれません。それぞれの希望がある中で、全員の希望が完全に満たされる選択肢があるとは限りません。

そういった場合、どのようにしてそれぞれの意見を調整し、最終的に一つの家に決めるのか。これは家族全員が一緒に考え、対話しなければならない問題です。そしてその結果に対しては、その家族全員で負うべき責任があります。

この意思決定の難しさは、個人や家族だけでなく、もっと大きな集団である社会全体においても同様です。社会の規模が大きくなると、その複雑性はさらに増すことでしょう。

…人工知能ができることは、私たちがよりよい決定を下すためのサポートを提供することです。しかしながら、最終的な決定を行うのはやはり私たち自身でなければならないことは、これまで述べたとおりです。

…私たちの人生に現れる多くの多目的最適化問題、意思決定は、人工知能には委ねられず、自分で決めていかなければなりません。高い解像度で自分の眼の前の多目的最適化問題を理解し、後悔しない意思決定をするためには、教養を高め、自発的に学ぶことが必要です。それは決して他者や人工知能による意思決定ではなく、自分自身の価値観の中での意思決定です。

多くの人が自発的に学ぶことによって実現する社会は、多様性の社会です。人工知能の発展によって、「大多数が同じ価値観、能力を持つことで成り立つ社会」から、「大多数が違う価値観、能力を持つ多様性を認める社会」に変遷していくのではないかと思います。同質の能力・価値観の人の総和からなる社会よりも、異質な能力・価値観の人の総和からなる社会のほうが、社会全体の叡智は大きくなるのではないかと期待しています。
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⇒どれも、[”It’s up to me!”の当事者意識をもつ個人の意思決定と、そうした人達がチームとして”It’s up to us!”で行う意思決定]をメインテーマとして思考し、そうした考え方と具体的方法論としてのディシジョンマネジメントを世の中に広めようと活動している私にとっては、「なるほど、本当にそうだよね！」と我が意を得たり、という感じで読みました。

その中で、今後のAIの活用について、これまでぼんやりと、あるいは時に鮮明に浮かんでいた3つの妄想的願望が、私の中で解像度高く見えてきたので、以下に述べてみます。


①建設的コミュニケーションを促進する「ワークショップ・ファシリテーターAI（WF-AI）」

：異なる価値観、能力をもち、互いの多様性を認めあう人達が集まってチームとしての集合脳を機能させ、“It’s up to us!”精神で協働する為には、互いの思っていること・考えていることを自由・積極的に遠慮なく、かつ相手に明瞭に意図が伝わるようにコミュニケーションする必要があります。

そうしたコミュニケーションを通じて、建設的に議論が進展・発展していく場を「ワークショップ」と呼んでおり、ワークショップ的協働が「知恵と仲間意識」を醸成すると考えます。

しかし、日本の多くの企業・組織の方々と接していると、このワークショップが機能不全を起こしているケースが非常に多いと感じます。

上司からのモラハラ・セクハラ的な発言があっても、部下は上司の顔色を伺って反論や注意をしない。そこまでひどくなくても、上司や同僚の発言の主旨がよくわからない/ 意味不明であっても、それを指摘したり問いたださない。

どうもこの国には「貴人には質問しない」（司馬遼太郎著「箱根の坂」の中にあった記述）という悪しき伝統がいまだに残っていて、それが「無駄に空気を読んだり、その場の空気を乱すような発言・質問はせずに黙っておく」ということにつながっているようです。

これまで何回か、ブログでモラハラ・セクハラ・意味不明発言への「突込み」を入れてくれるAI：「突込みAIアバターアイちゃん」のアイデアを提唱してきましたが、この「アイちゃん」を今回一段レベルアップして考えたのが「ワークショップ・ファシリテーターAI（WF-AI）」です。

以下に、参考までに「突込みAIアバターアイちゃん」関連のブログのURLを貼っておきますので、お目通し頂けると嬉しいです。

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[勇気とリスペクトと思いやりを持った「本気の突込み」で建設的なワークショップを実行すれば、大半の問題は解決できる!?!]（2022年7月12日）

[必達目標設定と評価・インセンティブ供与だけの「心と血の通わない管理型経営」に決別を！]（2022年8月8日）

[意思決定を起点とした衆知錬成とエンゲージメント向上を！（1）]（2023年3月3日）

[意思決定を起点とした衆知錬成とエンゲージメントの向上を！（2）]（2023年6月3日）

[意思決定を起点とした衆知錬成とエンゲージメントの向上を！（3）]（2023年6月14日）

[衆知錬成を加速する「突込みAIアイちゃん」の実現性について]（2023年7月4日）
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「ワークショップファシリテーターAI（WF-AI）」の働きについては、上記ブログの中ですでに述べていますが、ここでも簡単にイメージ例を2つばかり紹介しておきます。


【例1】経営会議で、役員のAさんが社員のBさんにモラハラ（パワハラないしセクハラ）的な発言をした時：

・WF-AI：Aさんの今のBさんに対する発言は、とりようによってはモラハラ発言とも受けとられかねないと感じました。Bさんは、どのように感じられたでしょうか？

・Bさん：私はAさんとは普段から仕事上のやりとりが多く信頼関係があるので、Aさんがモラハラ的な意図をもって発言されたのではないことは理解しています。しかし、Aさんとのつきあいがない人、とくに社歴の浅い人が今の発言を聞いたなら、ショックを受けてしまう可能性はあると思います。

・WF-AI：私もAさんの発言を聞いてそのように感じたので、先程Aさんに注意喚起をさせて頂きました。Aさん、先程の発言を、もう少し穏当な言い方で真意を伝えられるよう、言い直して頂けますでしょうか？

・Aさん：なるほど、よく理解しました。私としてはモラハラ的な意図は全くないつもりでしたが、言われてみれば確かに不適切な言い方になっていたと反省しています。あらためて、次のように言い直したいと思います。……


【例2】事業部内の会議での、事業部長のCさんから部員のDさんに対する質問に対して、Dさんが質問の意図がよく理解できないながらも、Cさんの発言の中のキーワードとおぼしき言葉をとらえて、これまた意図・意味不明の返答をし、この噛み合っていないやり取りがどんどん続いていきそうになった時：

・WF-AI：ちょっと待って頂けますか？先ほどのCさんの質問の意図が私にはよくわからなかったのですが、Dさんは質問の意図がよくわかったのでしょうか？また、CさんからみてDさんの返答はCさんの質問の意図に沿ったものだったでしょうか？まずDさん、いかがですか？

・Dさん：いや実は、Cさんの質問の意図が今一よくわからなかったのですが、質問の意味や意図を聞き返すのも失礼な気がしたので、とりあえず何か言わなくてはと思い、Cさんの発言の中のキーワードに関連することについて一応しゃべってみることにしました。

・WF-AI：Dさん、Cさんはひと昔前の天皇とか将軍のように、質問の意図を問い返すことすら恐れ多い、という立場の方ではないのですから、意図や意味がよくわからない時には、今のように「適当に何か返す」のではなく、質問の意図をきちんと問い返すようにした方がいいですね。またCさん、Dさんから「適当な返答」的なものが返ったときは、その「適当な返答」に対して、適当に返すのではなく、まずは「自分の質問の意味はそういうことではなくて…」と、ちゃんと説明した方がいいですよね。

ということでまずCさん、先程の質問の内容をDさんにもわかりやすく説明し直していただけますか？

・Cさん：なるほど、わかりました。Dさん、私の質問の意味は○○○○……○○○ということだったんですが、これで理解してもらえましたか？……





いかがでしょうか？このWF-AI程度のファシリテーション（司会・進行サポート）は、ちょっと気のきいた司会者や、勇気と親切心のある他の参加者がいればすぐできるはずなのですが、意外にもそうした役割を期待される人達がそれなりのスキルを持っていないことが多く、また当事者のAさん、Bさん、Cさん、Dさんも、コミュニケーション不全の問題を明確に認識していないことが多いように思います。

その「本質的には簡単なこと」を、WF-AIのサポートでできるようになれば、コミュニケーションの質、ひいてはチームとしてのワークショップの生産性が格段に上がるはず、というのが私の発想であり、妄想的願望です。

なお、最近のどこかのモラハラ町長さんたちのような、WF-AIからの指摘を受けたとしても平然とそれを無視したり反発する人物もいるかとは思います。しかし、私の見る限り、日本の企業組織に属する人達の大半は十分に「民度」が高いので、WF-AIの導入は非常に効果が高いものと考えています。

②個人個人への「パレート最適助言AI」

川村先生も指摘する通り、「多目的最適化問題」におけるパレート最適の為の意思決定は、まさに人間しかできないし、各自が自らの価値観や好みにもとづいて自らの責任において行うべきものです。

私が提唱するディシジョンマネジメントにおいては、自分にとって重要と思われる複数の価値判断尺度をもれなくリストアップし、各選択肢とそれに引き続く重要不確実要因のシナリオをディシジョンツリーの形に整理し、ツリーの末端のシナリオごとに「複数の価値判断尺度間のトレードオフを考慮したトータルの嬉しさ＝（総体的な）正味嬉しさ総額：Net Pleasure Valueという概念による相対点数づけ、という形で扱います。（Net Pleasure Value = NP(l)V は、キャッシュフローのNet Present Value （正味現在価値）= NP(r)V をもじった、私の造語です。 ）

複数の選択肢と重要不確実要因のシナリオがほぼ同じでも、末端の各ケースでのNet Pleasure Valueはそれぞれの意思決定者の価値観や好みによって異なります。

また、Net Pleasure Valueを自分の心と頭と相談しながら、都度都度見積もることは、結構大変な作業です。

そこで各自の人生における様々な重要意思決定場面において、複数の価値判断尺度間のトレードオフ判断の反映であるNet Pleasure Valueの点数づけをデータとして蓄積しておき、それをAIに読み込ませ分析させると、その人のトレードオフ判断の傾向、すなわち複数の価値判断尺度間の重みづけをAIが抽出してくれるのではないか？！

それができると、AIから

「あなたの〇〇年〇月の〇〇という状況での〇〇の意思決定においてのトレードオフ判断を適用すると、今回の各末端のケースでのNet Pleasure Valueの点数づけは以下のようになります。ちなみに、その時に考慮した価値判断尺度は▢▢、△△、◎◎でしたよ。

但し、少し似た状況の××年×月の××の状況での意思決定でのトレードオフ判断を適用すると、次のようになります。……

価値判断尺度間のトレードオフ判断は、その時々の気分や体調やまわりの状況、また哲学的価値観のありようを反映し、従って変化する可能性があるものですので、あくまでこの2例は参考情報として活用し、今時点でのあなたの気持に沿ってNet Pleasure Valueの点数づけをして下さい」

といった助言が得られるようになるのではないでしょうか？

このAIが指摘するように、「その時々の気分・状況・哲学的価値観にもとづいて点数づけをし意思決定をすれば良い」のですが、状況によって人は、一時の激情にかられてかなり大きく振れた重みづけを行なったり、あるいは重要な価値判断尺度を忘れて意思決定したり、ということが往々にして起こります。そこで、こうした「パレート最適助言AI」はとても役に立つのではないかと考えるわけです。

ただし、これが実現する為には各自がディシジョンツリーを使った意思決定を積み重ねていることが前提になりますので、世の中にディシジョンツリーのアプリが広く提供されるプラットフォームが存在し（個人情報の取扱いの考慮も十分になされている必要がありますが）、それを“It’s up to me!”精神で活用する人達がいての話になります。

なかなか簡単なことではないと思いますが、「妄想的願望」としては、世の中で是非実現して行って欲しいと願っています。


③個人個人への「見守り助言AI」

①,②よりも、さらに妄想的な願望になりますが、各自がこれまで経験したり、考えたり、書いたり、読んだり、話したりしたことをすべて把握してくれていて、その場その場でタイムリーに適切に助言してくれるAIがあったらいいなと思います。

たとえば「あのとき、どうやったんだっけ？」「あれって詳しくいうとどんなことだっけ？」「このメールへの返信、相手とのこれまでの関係性を考えた上で比較的あっさり返すにはどんな文面にしたらいいんだろう？」「〇〇さんの今の▢▢さんへの発言、ちょっとモラハラっぽいんだけど、〇〇さんと▢▢さんのキャラを考えるとしたら、どんな言い方をしたら場の空気を悪化させることなく指摘できるんだろう？」「この問題、自分はこれまで少し似た状況では、どんな判断と意思決定をしたんだっけ？その時の状況を整理して提示してくれると助かるんだけどな？！」といった要望に対して、自分の耳もとでささやいてくれるAIです。

あくまでも、AIからの助言やささやきをもとに判断し・意思決定し・発言し・実行するのは本人がその場で行うのですが、この「見守り助言AI」があったらとても助かると思うのです。

少し古いですが「ゲゲゲの鬼太郎」という漫画に出てきた、鬼太郎の肩のところにいつも乗っかっていて鬼太郎の経験することを同時経験していて、常に鬼太郎に寄り添った助言をささやいてくれる「目玉おやじ」のイメージです。




以上3つの「妄想的願望」を説明してみましたが、実現可能性については①の「ワークショップ・ファシリテーターAI（WF-AI）」が一番近いのではないかと考えています。

そして、このWF-AI実現の為の教師データの収集・蓄積には「アバター（分身）接客」の技術が使えると思っています。

先日の新聞（2023年10月30日付　日本経済新聞 朝刊）に以下のように記されていました。

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先端IT（情報技術）を活用した新たなテレワークが普及の兆しを見せている。仮想空間の「アバター（分身）」などを駆使し、接客や販売など在宅勤務が難しい仕事を遠隔化する。育児中の女性などの「未活用労働者」は約400万人にのぼる。技術の革新はこうした人材の労働参加を促し、深刻化する人手不足の解消の切り札となる可能性がある。

アバターであれば声も変えられ、顔をさらさずにすむため、年齢や性別を気にせず仕事ができる。対面に心理的な負担を感じる障害者などでも働きやすい。当初はイベントの集客などが多かったが、足元で受付業務などの引き合いが増え、約50社が利用する。
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この技術/ システムを導入して、社内の重要会議を、名前を明かさない社内有志数人（あらかじめ登録しておいた数十人の中から、それぞれの会議ごとに無作為にピックアップされた人達）にオンライン視聴させ、声も顔もすべて変えたアバターとして突込みや議論の明確化、助言を行なわせる。会議にリアルで出席している人達はアバターからのファシリテーション発言に反応・対応しつつワークショップを行なう。

こうしたやりとりをデータとして記録しておき、それを教師データとしてAIに学ばせてWF-AIを作り活用していくわけです。

このWF-AIを活用するだけでワークショップの生産性は格段に高まると思いますが、その場の各参加者の顔の表情・筋肉の動き・表面温度の変化も読みとらせ、それも反映できるようにAIをトレーニングすれば、将来的にはリアルの人間のアバターなしにほとんどのワークショップ（小規模のものまですべて）のレベルを上げることができるようになる。

そうして行けば、リアルの人間のアバターの参加は本当に重要なワークショップだけに限定できるようになり、そこではWF-AIを使いつつ、リアル人間のアバターはワークショップのさらなる高度化に貢献してもらう、というイメージです。

この考えは世界のほぼどこでも（専制主義国家では無理かもしれませんが）使えるし有効だと思いますが、「空気に逆らえない」「上司に質問・反論すらできない」という残念な伝統を持つ日本の企業や組織に導入することが、（幸か不幸か）世界で一番効果が上がるのではないかと思います。

その意味では「ワークショップ・ファシリテーターAI」の「一般バージョン」を経済産業省か内閣府か、あるいは経済団体（経団連等）が汎用プラットフォームとして無料公開し、その汎用型に各企業・組織が自社独自のアレンジを加えて活用する、という形が望ましい気がします。

ChatGPTを各社が導入し、それぞれの企業の独特の用語ややり方・ノウハウを加えていくのと同じイメージです。



以上、3つの「妄想的願望」とその実現ステップについて少し述べてみました。

これを受けて「ぜひやってみよう」と考え・行動する読者の方々が出てくることを期待しています。

もしそういう方がおられたら、ぜひ意見交換・ディスカッションさせて頂きたいと思いますので、このホームページの連絡先（Contact Usのところ）までメールを頂ければと期待しています！

P.S.「ワークショップ・ファシリテーターAI（WF-AI）」は、学校や職場での「いじめ」問題の解決にも役立つと考えています。いじめがなかなか表立った形であらわれず陰湿化・過激化する原因は、まわりの人（いじめる人といじめられる人以外の人達）が「いじめは良くない」と発言する勇気をもたないことだとの論を、先日のfb（フェースブック）で見かけました。その意味で、「勇気の足りないまわりの人達」を助ける役割を、「ワークショップ・ファシリテーターAI」が担えるのではないかと思うのです。